保護者の皆様は毎日の子育てに奮闘されていることと思います。お子さんの様子は毎日違いますね。昨日はとっても良い子だったのに、今日は駄々をこねてばかり・・なんて日々を過ごしながら、自分の子育てはこれで良いのだろうか?と不安になることもあるでしょう。
そのような時ついつい大人は、お子さんの育ちを目に見えるもので評価してしまいたくなるものです。例えば文字が読めた、書けたなどのように。でも本来なら、幼児期は○○が出来たから良し、出来ないからバツではなくて、出来ても出来なくても良しなのだと思います。可能性のいっぱい詰まったこの時期に、お子さんの良し悪しを誰が決めることができるのでしょうか?保護者の皆様も子どもの頃の事を思い出してみて下さい。大きくなったらウルトラマンになりたい・お姫様になりたいと思いませんでしたか?それを頭ごなしに否定されたことはなかったと思います。
大人たちは微笑みながら応援してくれたはずです。そのようなことが保障されるのが幼児期です。決して条件付きではなく無条件に愛されて、一人ひとりがかけがえのない存在だという事を心の奥底にしっかりと根付かせる、人生の中で一番大切な時期です。大人の愛情に包まれて、友だちと自分の違いも全て良しとして過ごす中で、優しさや思いやりなど人として大切なことが芽生えるのでしょう。
保護者の皆様の中には、小・中学校のことがすでに気がかりな方もいらっしゃることと思います。しかし、その年代で力を発揮するために大切なことは、幼児期に培います。小・中学校になると、頑張ったけれど結果が悪かったということも経験するでしょう。幼児期から結果優先だったお子さんたちは、悪い結果を受け入れられず自分をダメな子と思うかもしれません。本当にそうでしょうか?出来ても出来なくても良しとされ、自分の存在の大切さを味わってきたお子さんたちは、今回はダメだったけれど次は頑張ろうとする力を蓄えています。自分自身の可能性に向かって努力することが出来るのです。
私たちは幼児期に大切なことをゆっくりと培って行きます。目先のことがいくら出来ていても土台がしっかりしていなくては積み重ねることはできないからです。大人も子どもも、自分が自分らしく過ごせる環境がここにあります。お子さんのことでご心配なこと、幼稚園のことでわからないことがありましたらいつでもご相談下さい。お待ちしております。
八木山カトリック幼稚園 園長
小澤 葉子